アクションカメラで知られるGoPro(NASDAQ:GPRO)は、2026年9月1日、非公開の光デバイス(オプティカル・フォトニクス)企業Starman Optical(以下、Starman)と、正式な合併契約を締結したと発表した。合併を通じてGoProは再資本化と事業の再構築を進め、既存のカメラ事業を継続しながら、AIデータセンター向けインフラや防衛・政府・航空宇宙といった新市場への進出をめざす。
取引の概要
本取引に伴い、GoProの株主は総額2億8,500万ドル(1株あたり1.14ドル)の現金を受け取る。金額は、クロージング(取引完了)時点のGoProの正味運転資本に応じて調整される可能性がある。株主は引き続き、合併後の会社の発行済株式の約10%を保有する。また、GoProが抱える約9,200万ドルの負債は完了時に全額返済され、実質的に無借金のバランスシートになるという。
GoProはNASDAQ上場を維持する。取引はGoProおよびStarman双方の取締役会で承認済みで、GoPro株主の承認や規制当局の認可などの通常のクロージング条件を前提に、2026年内の完了を見込む。
合併のねらい:IPの価値最大化と国内製造回帰
GoProは過去24年にわたり、先進的な光学技術と、2,500件を超える米国特許からなる知的財産(IP)ポートフォリオを築いてきた。今回の合併は、会社を再資本化し、バランスシートを強化し、成長に投資するとともに、戦略的市場向け製品の製造を米国内に回帰(オンショアリング)させることで、消費者・商業・防衛の各市場におけるGoProのIPの価値と成長性を最大化することをねらうとしている。
具体的には、Starmanの米国製の光トランシーバー(光信号を送受信する通信部品)が、GoProのポートフォリオに加わる見込みだ。これにより、GoProは、AIインフラ向けの光トランシーバーという急成長市場へ事業領域を広げる。取引完了後は、両社のIP・光学・イメージング技術を、防衛・政府・ロボティクス・航空宇宙の各市場にも展開し、米国製ソリューションへの需要を取り込む方針だとしている。
経営陣のコメント
Starman HoldingのCEOであるCharles Tebele氏は、先進的な光学とイメージングはAI・国家安全保障・経済全体にとって不可欠であるにもかかわらず、それを支える重要なハードウェアの多くが海外で製造され続けている、と指摘。GoProの光学分野の専門性・IPと、Starmanの先進的なトランシーバー技術・米国製造基盤を組み合わせることで、これらの重要部品の生産を米国へ取り戻すという独自の機会が生まれるとしている。
GoProの創業者兼CEOであるNicholas Woodman氏は、今回の合併により、GoProがカメラ・光学・AIインフラに関わる国家安全保障上の重要領域に取り組む、米国を代表するイメージング/光学ソリューション企業として、消費者・商業・防衛の各市場で成長できると期待していると述べ、Starmanのチームと共にこの機会を捉えたいとしている。
既存のカメラ事業は継続
GoProは、既存の消費者向け製品、およびサブスクリプション・クラウドプラットフォームを引き続き完全にサポートしながら、成長投資と、より幅広く多角化した製品ロードマップを進めるとしている。つまり、アクションカメラ事業そのものは継続したうえで、新市場に事業の裾野を広げる構図だ。
なお本件では、Houlihan LokeyがGoProの財務アドバイザー、Fenwick & West LLPが法務顧問を務める。GoProは、取引完了時に追加情報を提供するとしている。
