GoProをベースにしたAIスポーツカメラを手がけるSeeUsPlayは、同社にとって過去最大規模となるアップデートを発表した。対応カメラハードウェア、クラウド処理の速度、AIが認識する競技、そして利用者が使うアプリまで、広範囲に変更が及ぶ。主な更新は次の7項目だ。

1. 8K対応とGoPro「MISSION 1」

これまでのAIスポーツ映像の多くは4Kで撮影されてきた。カメラを1か所に固定して撮るため、フィールドの遠い側の選手を追うには、画面のごく一部を切り出して拡大する必要があった。ズームを強めるほど映像はぼやけ、しかもそれは決定的なプレーが起きやすいフィールド両端で顕著になりがちだった。

新たに対応したGoPro MISSION 1は、より大きく精細な画像を捉えることでこの課題に応える。4Kの約4倍にあたる8Kで記録し、より多くの光を取り込む大型センサーを搭載する。この豊富な情報量により、遠いサイドラインやゴール前まで寄っても、背番号を読み取れる程度の鮮明さを保てるという。

2. 処理速度の高速化

撮影データを完成映像に変換する処理パイプラインが再構築された。4K・5K撮影の場合、標準的な処理時間は数時間程度となり、フルゲーム映像とハイライト映像はプレー当日中に視聴・共有・ダウンロードできるのが一般的になった。8K撮影はデータ量が格段に多いため処理に時間を要するが、多くの試合では同日中の完成を見込めるとしている。

解像度標準的な処理時間
4K・5K4時間以内
8K8時間以内

3. 野球・ソフトボールに対応

SeeUsPlayが野球・ソフトボールに対応した。これらの競技向けAIは、画角を固定するのではなく、試合の流れに応じてフィールドの切り取り方を変化させる。

  • 投球時:内野とマウンドに寄った構図を維持する。
  • 打球が飛んだ後:外野への打球を追えるよう画角を広げつつ、塁の大半を視野に収める。
  • 走者が本塁を狙う場面:外野を犠牲にしてでも、本塁での攻防を優先する。

このアプローチは、バックネット裏に設置したカメラの映像と相性がよく、投手と打者に寄った映像に、フィールド全体の動きを捉えた明瞭な視点を加えられるとしている。

4. SeeUsPlayがWebに対応

SeeUsPlayアプリが、デスクトップの最新Webブラウザ上で動作するようになった。インストールは不要だ。Web版は、大きな画面のほうが扱いやすい作業——トークン残高の確認、今後の試合のスケジュール設定、チームの作成・管理——に向けて設計されている。録画や試合進行中の管理は引き続きモバイルアプリが担い、Web版はPCで腰を据えて行いたい作業を補完する位置づけだ。

デスクトップ版では、映像の入出力方法も変わった。従来のように試合ごとにアップロード用リンクのメールを受け取る方式は廃止され、デスクトップ版のゲーム一覧(games view)から直接、試合の映像をアップロードする。高解像度映像のダウンロードも同様で、受信トレイからリンクを探すのではなく、ゲーム一覧で試合を開いてその場でダウンロードする。

5. 再構築されたモバイルアプリと「カスタムズーム」

モバイルアプリがゼロから作り直された。ナビゲーションがすっきりし、動作も高速化したが、最大の追加要素はカスタムズームだという。試合を作成する際に、AIがどれだけ寄せて画角を構成するかを選べるようになった。ズームを低く設定すれば、陣形やスペーシングが分かる広く戦術的な映像になり、高く設定するほどボールへ寄った映像になる。選んだ各レベルはそれぞれ別の映像として書き出されるため、同じ試合を複数の画角でリクエストできる。

ズームレベル得られる映像
ズームなし最も広く、戦術把握に適したフィールド全体の映像
縮小プレーを追いつつ、やや広めの画角
標準(既定)これまで使われてきたバランスのよい構図
追加ズームボールに最も寄った、最も狭い画角

既定は引き続き「標準」のため、利用者が変更しない限り、これまでと同じ見え方の映像が得られる。

6. ログインの一本化

SeeUsPlayはこれまで、モバイルアプリ用とWebサイトの管理ツール用に2つのアカウントシステムを運用しており、2組の認証情報を作成・管理する必要があった。今回これらを統合し、SeeUsPlay全体で共通して使える単一のログインにまとめた。Google、Facebook、Apple、メールアドレスでサインインできる。

既存利用者の場合、Webとアプリのアカウントでメールアドレスがそろっていれば、Webの管理用ログインがそのままアプリでも使える。一致しているか不明な場合はサポートへの問い合わせが案内されている。既存のユーザーデータ・管理データはすべて保持される。

7. オンラインドキュメントの公開

SeeUsPlayのすべてのガイドが、docs.seeusplay.com でオンライン公開された。リグ(撮影機材)の開封から最初の映像共有までを網羅し、内容は3つのガイドに分かれている。

  • セットアップガイド:リグの組み立て、GoProの取り付け、試合当日への準備。
  • ユーザーガイド:試合の録画、イベントのタグ付け、フルゲーム映像とハイライトの作成・共有。
  • アプリケーションガイド:サインインからチーム・トークン・YouTube連携まで、アプリの各画面の解説。

ここで紹介した内容はすべて提供を開始している。利用には最新版アプリへの更新が必要で、手順を確認したい場合はオンラインドキュメントが案内されている。


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